vol.14 | washed cashmere
2023.08.14
今回はウォッシュドカシミヤの生地の糸を紡績している、大阪府の泉大津市の工場についてお話しします。
大阪府の南部に位置する泉大津市とその周辺では、国産毛布の90%以上が生産されており、泉大津市は全国No.1の生産量を誇る‘日本一の毛布のまち’です。
明治19年(1886年)、茶道具の桐箱の紐を作っていた業者たちが集まり、初めて泉大津で日本製のウール生地が作られました。
当時羊毛はなかなか手に入らず、代わりに牛の毛を使って作りました。
短くて硬くかなりの苦労があり、「服地がダメなら、寝具に」と発想の転換をし、明治20年(1887年)に日本で初めての毛布が完成しました。
その苦労により、毛布の風合いの命である泉大津独自の起毛技術が発達し、後の毛布産地につながっていったそうです。
その泉大津の工場で、中央アジアの国(ギルギス)の有色のカシミヤ山羊の毛(約70%)とリサイクルカシミヤ(約30%)をオリジナルブレンド及び紡績しています。
紡績の工程で出来る、カシミヤの短い繊維のみを集め、染めていないカシミヤだけをリサイクルに使います。
他では様々に染められたカシミヤ製品をリサイクルで使用したりもしますが、ATONではナチュラルな色味を表現したく、オフ~茶色のリサイクルカシミヤだけをブレンドに使用しています。